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6月後半になってノジコ達はザワザワしていました

ノジコ達の囀りを9ヶ所以上で録音できました。1〜2分で囀りを止める個体と、5分以上長く囀る個体がいました。先週は見られなかった囀り&移動&囀りが見られました。ソングポストを巡りながら鳴いていそうです。足輪のない個体は4個体おり、2回目の繁殖でザワザワしている感じです。ノジコ達も個体群の中でも恋の駆け引きがあるんでしょう。
ノジコの録音はパラボラが威力を発揮します

観察日:2023−06−21 6:00~11:00

場所:谷間の廃村に流れる小川沿いの道と脇

天気:曇り、風無し

日の出時間:4:35ごろ

観察者:Mr. Hand, Dr. Show & me


今日の調査目的

  • ノジコの個体毎の鳴き声の差を調べたいので鳴き声をできるだけ多く採取すること。
  • ノジコの行動を調査すること。

方法(前回までとほぼ同じ)

  • 川沿いに複数のノジコ達がナワバリを持って繁殖しており、今日は中流から上流に行き、また最下流まで行って中流に戻りました。途中録音しながらノジコの声を採録しました。連続して囀っているならなるべく長く録音するようにしました。
  • この時期、ノジコは何時から何時までどの程度の頻度で囀るのかわかっていないので、出会った順に一羽毎時間をかけて録音しました。
  • 用いた機材は下記の通り:
    • 録音機:H6(zoom)
    • マイク:Rode NT4(ステレオマイク)
    • ファントム電圧:+48V
    • 集音器:Sony PRB-400(三脚あり)
    • フォーマット:WAV、44.1kHz, 16bitステレオ

結果

  • 音声の分析は後ほど。今日は録音状況とノジコの行動を書きたいと思います。
  • 中流に着いた時ノジコ1が近くで囀っていたのでここから今日は始めることにしました。
  • 今日もノジコの出現順に番号をつけています。同じと思われる個体は同じ番号をつけています。また、ノジコの行動と録音番号を紐付けます。
  • ノジコ1は足輪なし。枯れ木の枝の先に止まって鳴いていました。
  • 3:30から観察を始めたMr.Handさんによると4:05ごろまだくらい時分にノジコが鳴き出し、よく鳴いていたとのこと。
  • ノジコ1を録音していると(R3)下流からノジコ2の声が聞こえました。同時鳴きなので別個体です。
  • ノジコ1は中流域を数十mぐらい移動しながらソングポストを変えています。
  • 上流側に移動した時にはさらに上流からノジコ3の声がしました。この中流域に声の届く場所に3個体いると思われました。
  • ノジコ3は民家辺りを境界にして上流側をナワバリを作っているように思われました。
  • このノジコ3はDr.Showによると足輪がないらしい。
  • ノジコ3と違う場所でノジコ4が聞かれました(R5)。これはノジコ3かもしれません。
  • ノジコ1は顔を上げて口を開いて囀っています。途中、足で頭を掻いたり余裕も見せます。
  • ノジコ5は長く鳴かずに1〜2分で鳴き止みます(R12)
  • ホオジロとは違う”チ、チ、チ”とか”チョ、チョ”とカシラダカの地鳴きのような一声ずつ区切った声が聞こえます。ノジコだと思われました(R13)。とするとノジコ7が囀り出しました。
  • ノジコ6は右跗蹠にオレンジの輪っかをつけています。(R14)
  • ノジコ6はβY30で囀った後、βZ33にある樹高5mぐらいの低木に入ったかと思えば、すぐ出てきてまたβY30に飛んでいき2分囀りました。その後、βZ33奥に入っていきました。奥でも1分囀って鳴き止みました。
  • 折り返したβZ33の木の中では何があったのでしょうか。他の雄と入れ替わった可能性もありますが、何かに驚いてすぐ出てきたようにも解釈できました。この個体は右跗蹠に黒い輪っかをつけているように見えました。確認が必要ですがノジコ6だったろうと思います。
  • 最上流では5月初旬によく囀るオスが標識され放鳥されたのですが、先週まで見つかっておらず今週も本当にいないのか調べに行くと果たしてノジコ7が囀っていました(R22)。上流に向けて歩いていたのですが、行き過ぎて40mぐらい後ろから囀りが聞こえ、急いで録音しました。録音中、横でノジコの地鳴きがしました。ノジコ7とは別個体です。メスだったかもしれません。
  • 今日のノジコは地鳴きと囀りが同時に聞かれるあるいは地鳴きが先んじて囀りが聴かれるなど組で聞かれました。今日の特徴でした。
  • ノジコ7の足輪は確認できなかったのですが、Dr.Showによると標識個体だとのこと。ここで人知れずペアを作って繁殖していたのかも知れません。他の個体とは離れているのであまりなく必要がなくそのため見つかっていなかった可能性もあるなと思いました。
  • このノジコ7の囀りをもっと録音したかったので囀り終わりから30分粘って待っていたのですが、鳴くことはなかったです。囀る必要のない余裕の個体だったのかな。
  • R26のホオジロの囀りはノジコ的な音感のする声でした。
  • ノジコ8のR31,R32は林の奥で鳴いており姿は確認できませんでした。
  • 最下流の個体のノジコ9は今日もよく囀っていました。でも、かなりソングポストを移動しており、1分ぐらいで囀りをやめてしまう落ち着きのない行動をとっていました(R33)。ノジコ9とノジコ8は距離も近く同じ個体かも知れません。どちらも姿はよく見えませんでした。
  • R34は1分で鳴き止んでしまいました。
  • 中流に戻ると、ノジコ1が枯れ枝の先端に止まって囀りました(R35)。
  • 車で帰る途中、調査範囲ではないものの、ノジコの囀る声を聞きました。ここにも離れノジコがいました。

録音ファイル

※座標マップ(非公開)

R 録音日 開始 終了 レコーダ 種名 ノジコ番号 鳴き声場所
1 230621 055917 061210 H6 ノジコ 1 αU36
2 230621 061240 061354 H6 WAY
3 230621 061506 062546 H6 ノジコ 1 αU35
4 230621 062549 062812 H6 ノジコ 1 αV37
5 230621 062913 063316 H6 ノジコ 1 αT39
6 230621 063420 063749 H6 ノジコ 1 αU37
7 230621 064033 064423 H6 ノジコ 1 αU37
8 230621 064900 065340 H6 ノジコ 3 αR44
9 230621 065440 065547 H6 NG
10 230621 070255 070703 H6 ノジコ 4 αR52
11 230621 071135 071415 H6 ノジコ 5 αR55
12 230621 071604 071746 H6 ノジコ 5 αQ55
13 230621 072859 073111 H6 ノジコ βW12
14 230621 073455 073546 H6 ノジコ 6 βZ33
15 230621 073918 073956 H6 ノジコ 6 βY30
16 230621 074005 074147 H6 NG
17 230621 074258 074450 H6 ホオジロ x βZ33
18 230621 074743 074956 H6 ノジコ 6 βY30
19 230621 075945 080000 H6 NG
20 230621 080147 080357 H6 クロツグミ βV22
21 230621 080537 080557 H6 トラツグミ βV22
22 230621 081929 082555 H6 ノジコ 7 βY49
23 230621 085748 085834 H6 ノジコ 7 βAC51
24 230621 090110 090431 H6 トラツグミ βAC51
25 230621 090942 091219 H6 ノジコ C βAB57
26 230621 092706 093031 H6 ホオジロ βT22
27 230621 093500 093538 H6 NG
28 230621 094720 094954 H6 モズ αR56
29 230621 095507 100125 H6 ノジコ 1 αV36
30 230621 100355 100500 H6 ホオジロ 追っかけ αV31
31 230621 100920 101345 H6 ノジコ 8 αAA15
32 230621 101751 102754 H6 ノジコ 8 αAC13
33 230621 103111 103324 H6 ノジコ 9 αY7
34 230621 104616 104919 H6 ノジコ 8 αAB16
35 230621 110234 110509 H6 ノジコ 1 αU36
36 230621 110534 110804 H6 ノジコ 1 αV36
オカトラノオが咲き出しました

その他の観察

  • 9:00 トラツグミが突然囀り出しました(R24)。時間が遅そく天気は曇りでもそこまで暗くないのでどうしただろうと思いました。
  • モズが枯れ枝の上で尾を振りながら小さく鳴いており、マイクを向けるとウグイスの谷渡りの”キョキョキョキョ”と聞こえました(R28)。
  • チィ、チィと聞こえる声がしたのでノジコかと思いマイクを向けると”ヂヂヂヂヂ”と聞こえホオジロが飛び出して電線に止まっていた別のホオジロに体当たりするみたいに追い払いました(R30)。
  • ホオジロの巣立った後の巣をMr.Handさんに見せてもらいました。外径は120mmφで厚み80mm、内寸が80mmφで42mmの深さでした。地面から巣の底まで35cmの高さだということです。
ススキに作られたホオジロの巣。巣立って1週間以内とのことです。

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created: 2023-06-21 16:39:32
modified: 2025-02-07 18:21:34
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keywords: ノジコ 録音 ソングポスト パラボラマイク 足輪

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