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書評:生き物好きを突き詰めたら睡眠学者になっていた
ヒドラが眠るって本当!?6億年以上前に遡る睡眠の起源を探り、生物が眠る理由を解き明かす一冊。 麻酔と睡眠の違いも解説され、意識の謎に迫る研究が紹介されています!✨眠ることの起源を探る旅へ
眠ることが脳特有の現象ではないことをご存知ですか?
本書は、ヒドラの睡眠行動から始まる壮大な研究の物語を描き、6億年以上前に遡る睡眠の起源について明らかにします。
本書の見どころ
最大の研究成果
ヒドラが眠ることの発見
全身に分散した神経細胞ネットワークを持つヒドラが眠ることを確認。
遺伝子の特定
睡眠に関与する遺伝子がショウジョウバエや哺乳類でも同様に作用することを証明。
睡眠の根源性
睡眠の仕組みが脳だけでなく、筋肉や腸といった末梢神経にも関わることを示唆。
若手研究者の視点
本書は、著者の研究史とともに「生き物好きを突き詰めた人生」を小中高生向けに紹介しています。
若年研究者ならではの視点から、以下のエピソードが語られます:
実験設備と工夫の重要性
相談の大切さ:「プラナリアの飼育に昼夜の明暗が必要」と気づいたエピソード
医学を志したダーウィンが無麻酔手術に衝撃を受けた因縁話
新たな研究の方向性
麻酔を用いた「第3の睡眠状態」についても紹介されています。麻酔がかかると意識を失う仕組みが、睡眠とは異なる反応である可能性があり、意識解明の鍵になると期待されています。
著者の結論:睡眠とは何か?
著者はこう結んでいます:
「睡眠とは覚醒時に溜まったものを解消する行為」
眠ることが覚醒を充実させ、豊かな人生をもたらす重要なプロセスであると述べています。本書を読むことで、睡眠の仕組みやその意義を再考するきっかけとなるでしょう。
まとめ
若手研究者の挑戦と、生物学の魅力が詰まった一冊。
睡眠、意識、麻酔の関係に興味がある方、あるいは生き物好きの読者にとって、新たな発見をもたらすこと間違いありません。
ぜひ手に取ってみてください。