toriR blog
映画アバター:ウェイ・オブ・ウォーターを見てきました
この映画のストーリは勧善懲悪でシンプルです。 前作で悪い地球人を追い出した元海兵隊ジェイクは、舞台の神秘の星パンドラで家族と幸せに暮らしていました。そこに人類が再び現れてパンドラの貴重な資源を奪い、バトルになります。前作で死亡したマイルズ・クオリッチ大佐が人格のバックアップを植え付られたナヴィと人類の混血のアバターの姿でジェイクに復讐に来ます。 バトルも見応えありますが、この映画の1番素晴らしいのはパンドラの生物と生命圏です。骨格が地球上の魚類、哺乳類とこはことなり、6本脚で、複数の呼吸孔や蓋を持ち、胴体にも呼吸器官を持つ生物達が描かれています。成熟したCGで描かれる異星の生態系を楽しむのが一番得るものが多い見方だと思います。
ストーリ的にも考えてみました。
前作は、人類がパンドラにある神聖な生命体の地下に眠る希少鉱物アンオブタニウムを搾取するために争いが起こるのですが、地球人居住区を守る傭兵隊の隊長クオリッチ大佐が手っ取り早く暴力でうばっちまえと雇い主をそそのかし実際そうなるのです。
そのとき見た印象は「現代において原住民を虐殺して欲しいものを手に入れる剥き出しの欲望を描く映画は設定が単純すぎ&倫理的に許されないだろう、結果、この作品の評価を下げる」というものでした。
でも、アバターWOWを見た時、暴力で欲しいものを手に入れるという設定は同じなのに、受け手の私に変化があったのでしょう、かなり納得感がありました。もちろんロシアのウクライナ侵攻もあるのですが、設定では「死にゆく地球から一刻も早い移住を目指しており、最終目標が人類の地球脱出とパンドラへの移住及びナヴィの植民地化(wikipedia)」となっているからです。
人類という種の生存が脅かされた時、テクノロジーを持っていれば当然他の星に生存圏を求めるでしょうし、現住生物が未開もしくは人類より弱いと判断すれば、倫理は後ろに隠れてしまうだろうということでした。ということは、同じ設定であれば普遍的に通用するロジックだと思われます。そこには葛藤もなく、弱肉強食のロジックが正義となり、剥き出しの暴力の支配する考え方です。ジェームスキャメロン監督のターミネータ、エイリアン2、タイタニックとヒット作が多いですが、なんか通底するものがあるのかな。エイリアン2を異星生命圏の攻撃と捉えた場合どういった解釈ができるのかその視点でまた見てみたいです。
環境問題に熱心でビーガンでもあるそうなので、実生活の態度はより良き生き方をしているのかもしれませんが、次回作には悪役側の葛藤も描いて欲しいものです。