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バードリサーチ鳥類学大会2025 参加記録

バードリサーチ鳥類学大会2025の参加記録。都市環境と鳥類、渡り、AI解析、調査技術、市民科学などの発表をカテゴリー別に整理し、口頭発表・ポスター・Q&Aのメモをまとめた。
鳥類学大会2025年

バードリサーチ鳥類学大会2025 参加記録


全体まとめ(カテゴリー別)

※以下は、メモを基にしたカテゴリー別の整理(GPT-5.2による要約)です。

1. 都市・人間環境と鳥類の関係

  • テーマ:都市・人工環境が鳥の生態に与える影響
  • 主な話題:
    • スズメの営巣環境と幼鳥比率(都市の気温・環境)
    • 都市ムクドリの食性比較
    • ベランダでのヒヨドリ行動変化
    • コシアカツバメの営巣事例
    • 鳥たちの気象防災講座(風力発電と渡り)
  • まとめ:都市化・人工構造物・気候変動が鳥類の行動・繁殖・越冬にどのように影響するかを、観察・現場データ・行動記録を通じて議論していた。

2. 渡り・移動行動の実態把握

  • テーマ:季節移動・渡りルート・群集変動
  • 主な話題:
    • 球磨川河口でのシギ・チドリ群集の季節/年変動
    • コハクチョウの春の渡り追跡
    • 峠を通る渡り鳥の目視記録
    • ツバメの集団ねぐら(飼料畑利用)
    • 夜間フライトコール(市民録音)(関連ポスターを含む)
    • 気象災害・風力との関連
  • まとめ:多地点・長期モニタリングや市民参加データを使い、季節性・年変動・ルート・ねぐら利用といった渡り行動の実態を可視化・定量化する方向が進んでいる。

3. 生態行動・生理・コミュニケーション

  • テーマ:鳴き声・社会行動・形態・機能
  • 主な話題:
    • リュウキュウコノハズクの広告声とコミュニケーション
    • 水鳥行動解析(ライブカメラ × AI)
    • 鳥類の翼筋肉と飛翔機能比較
    • 野鳥識別の認知科学的分析
  • まとめ:音声行動・視覚・筋機能・認識など、鳥類の行動生態や内部処理の理解に踏み込む研究が増えている。特にAI・機械学習による行動解析は複数発表に登場した。

4. 技術・ツール開発と生態データ

  • テーマ:調査手法・機器・解析技術
  • 主な話題:
    • 省電力カメラ付き巣箱
    • 機械学習による水鳥映像解析
    • DNAバーコーディングによる食性解析
  • まとめ:調査技術や解析ツールの進化が、生態データの収集・精度向上を支えている。従来のフィールドワークとAI・分子技術の融合がトレンド。

口頭発表(Day 1:2025-12-12)

名古屋市の繁華街におけるスズメの営巣地周辺の環境と幼鳥数との関係

  • 発表者:岡村悠太郎(名城大院・農)、橋本啓史(名城大・農)
  • 要旨/メモ:
    • 名古屋市の繁華街において、夏季の高温環境下での営巣条件と成鳥・幼鳥比率の関係から、都市環境がスズメの繁殖成否に与える影響を明らかにしようとする研究。

球磨川河口におけるシギ・チドリ群集の季節/年変動

  • 発表者:髙野茂樹
  • 主催者ページ(YouTube):鳥類学大会2025(12月12日)開会・口頭発表1–5
  • 要旨/メモ:
    • 球磨川河口干潟におけるシギ・チドリ類の個体数と群集組成を2022〜2024年に解析し、季節ごとの群集区分と年変動、ならびに主要種の増減傾向を明らかにした研究。

「リュウキュウコノハズクは広告声を用いて強い自分を演出する説」の実証結果

  • 発表者:武居風香、榛沢日菜子、池上隆之、髙木昌興(北大・院理)
  • 要旨/メモ:
    • リュウキュウコノハズクの広告声について、音声成分と体サイズの関係および音声提示実験から、相手の体サイズに応じて鳴き声を調整する可能性を検証した研究。
    • 背景:広告声は周波数成分が体重で違うのではないか?
    • 目的:声から体サイズの推定/体サイズによる反応変化の検証
    • 手段:
      • 声の周波数分析(MFreq1/2/3, Interbal, duration, 音圧比(max/min?))
      • 体サイズの計測
      • 録音機:TASCAM-VR-04
      • playbackの反応:高音鳴き返し/低音鳴き返し
    • 考察:
      • 低周波数広告声に対してMFreq2とDU2は相反した。
      • 生理的制約(息の量が一定など)によりトレードオフになっている可能性。
      • オスはメスより小さいが、小さい方が餌を取りやすい側面もある。大きいだけが生存に有利とは限らず、声の多様性が残っている可能性。

河川ライブカメラ×機械学習による水鳥の行動

  • 発表者:北島直紀(バードリサーチ会員)
  • 主催者ページ(YouTube):鳥類学大会2025(12月12日)開会・口頭発表1–5
  • 要旨/メモ:
    • 善福寺川にはライブカメラが多くあり、カルガモも多い。
    • 増水時の行動を知りたい。
    • YOLOを使って学習させた。
    • 手動で正解データを用意し、手動でラベリング。
    • 150Hrで正当率:109 → 252 → 383 → 566(NVIDIA-A100で2時間)
    • サギ類は日が落ちてからが多い(都会特有)
    • 水位上昇時間に長時間止まっていた(魚を取りやすくなるから)
    • 感想:ライブカメラはいい映像源。

翼筋肉と操縦性:種間比較

  • 発表者:簑島あすか、村上正志(千葉大学大学院)
  • 主催者ページ(YouTube):鳥類学大会2025(12月12日)開会・口頭発表1–5
  • 要旨/メモ:
    • 翼膜と biceps slipslip)および tensor propatagialis brevis(TPB)の有無で種間分類した。
    • 羽ばたきと休止を繰り返す場合は slip/TPB の発達。
    • 独立にそれぞれ収斂進化した可能性。

ポスター発表(Day 1)

コアタイムでの発表

主なQ&A(メモ)

  • Q:結露防止のシートの剪定方法は?
    • A:0.2ミクロン厚の白っぽい半透明のゴミ袋。結露防止と白で太陽反射を狙っている。
  • コメント:流れ星の終夜観測用のwebcamera(autocam?)は音声もサーバに上がっている(音声は圧縮しているだろう)。
    • 秋の虫が大きくない時期(春)は使えるかもしれない。
  • コメント:熊本サイトでのNFC録音の囲いはAmazon購入したプランター。
  • Q:参加者のモチベーション維持には結果の即時共有が大切でまだできていないということだが、期間をおいた共有はできているのか?
    • A:仕組み的にはパーツは揃っているが、まだできていない。アノテーションを自動で行うバッチをこの3ヶ月で仕上げるつもり。来年度は考えたい。
  • Q:リアルタイムの自動分析は可能か?
    • A:ラズパイクラスでも抽出できる規模のアノテーションとなる予定。フィールドで出来るよう試作を来年度試したい。来年度も最終年度として調査を継続するので、参加 and/or 応援お願いする。

ポスター一覧(メモ)

番号 タイトル 主報告者(所属) 一口概要
P-01 ヤマウコギの果実を持ち去る鳥はいるのか?-トリトマラズは本当に“鳥止まらず”なのか ― 鳥居憲親(長岡市博)/櫻井幸枝(長岡市博) 新潟県信濃川河川敷でヤマウコギの果実を実際に持ち去る鳥種を観察し、従来の「鳥が寄り付かない」とされる評価を実証的に検証する調査。
P-03 市民参加型NFC録音調査の中間報告:運用実績と技術・参加継続の課題 大坂英樹(トリルラボ)/田米希久代(加賀市鴨池観察館)/櫻井佳明(加賀市鴨池観察館) 全国29サイトでの夜間フライトコール録音の運用実績と、市民参加調査の技術的・運用上の課題を整理した中間報告。
P-05 宮城県中央部(県北南縁・仙台圏)と山形県・秋田県内陸盆地におけるコハクチョウの2025年春の渡り追跡 平泉秀樹 雪解けと関連するコハクチョウの渡り追跡調査で、渡りルート・ねぐら利用状況を高頻度記録し、地域間の移動関係を明らかにする試み。
P-07 にいがた浜辺のチドリんず2025年活動報告 渡邉キララ(にいがた浜辺のチドリんず) シロチドリ保全と海浜環境保全の取り組みとして、繁殖期個体数・保護柵設置など2025年の活動をまとめた報告。
P-09 亜高山帯の峠を秋期の日中に渡る鳥たち 渡部良樹 標高2,000m超の峠での渡り鳥日中観察で、アトリ科中心に3目12科の移動実態を記録した調査。
P-11 野鳥の識別技術を持たない人はどのように種を認識し識別しているのか 佐藤悠子(新潟県愛鳥センター) 野鳥識別初心者の誤同定パターンと正答例を分析し、層別した種認識傾向を整理した研究。
P-13 名古屋市におけるムクドリの食性把握~中心市街地と都市近郊部の比較~ 加藤花織(名城大学) 都市部と郊外で採取したムクドリ糞をDNAバーコーディング解析し、食性の地域差を比較検討する調査。
P-15 省電力なカメラ付き巣箱の開発~見回りなしの巣箱研究を目指して~ 水村春香(富士山研)/武田和也(富士山研)/青木大輔(森林総研) 省電力タイムラプス撮影可能な巣箱を開発し、見回り不要での繁殖行動観察の技術的可能性を示した研究。
P-17 飼料用トウモロコシ畑を利用したツバメの集団ねぐら 小畑直也 鳥取県琴浦町の飼料用トウモロコシ畑をツバメねぐらとして利用する実態を観察し、その利用期間と特徴を報告。
P-19 長崎県諫早中央干拓の越冬タゲリの性・齢について 知花峻輝 越冬地で捕獲したタゲリの外部形態から性・齢識別の可能性を検討し、ヨーロッパ集団との比較を行う調査。
P-21 消音構造は飛翔力にどのような影響を及ぼすのか、少し検証をしてみました。 鈴木理央 フクロウ目の消音構造を模した翼模型と一般的翼模型を比較し、飛翔力への影響を簡易検証した実験的研究。
P-23 ベランダコミュニケーション2025 小杉美樹 都心マンションのベランダでヒヨドリ等を観察し、季節行動や鳴き声変化をまとめた市民観察記録。

口頭発表(Day 2:2025-12-13)

札幌市中島公園のオシドリの繁殖拡大

  • 発表者:新田啓子(日本オシドリの会)
  • 要旨/メモ:
    • 水辺と大木がある都市公園でオシドリが増えている。
    • 真駒内のハルニレに営巣。
    • 国道街路樹(ポプラ)に営巣。
    • 中島公園で営巣。
    • 繁殖・採餌・育雛は別々の場所のファミリーがいた。
    • 繁殖地拡大の理由:人工環境の適応能力、メスの帰巣。
    • 感想:森の中で繁殖を探すのは難しい。

アマミヤマシギを捕獲する網と捕獲技術(間もなく1000羽)

  • 発表者:石田健(1. 奄美野鳥の会、2. 元東京大学)
  • 要旨/メモ:
    • 初期:霞網、ミミズでトラップ → うまくいかなかった。
    • タモ網を改良。水飲み場でリュウキュウコノハズクを捕まえたことがヒント。
    • 捕獲確率:2〜5割
    • 発信機で行動観測:4〜6km
    • 林道は休憩場所(月明かりでよく見える所で休んでいる)
    • 練習が効果的

Who’s Next?〜人新世におけるツバメ類の越冬戦略と分布拡大〜

  • 発表者:天野チャールズ孝保(長大・院)
  • 発表スライドの要旨(引用メモ): > 人新世以降、私たち人間の活動は地球環境に大きな変化をもたらし、気候変動は多くの生物に新しい地域での分布拡大を可能にしている。日本でも九州南部のツバメや一部の鳥類において確認できる。同様の現象は南半球でも見られ、ニュージーランドではオーストラリア由来のオーストラリアツバメが自然定着し、分布を拡大している。本発表では、日本とニュージーランドのツバメ類に共通する越冬地の土地利用特性を比較し、越冬を成立させる環境要因を紹介する。
  • 要旨/メモ:
    • 越冬ツバメの餌は、糞からDNA分析すると虫を食べていた。
    • オーストラリアツバメ(南ニュージーランド島)と鹿児島の南海岸線を1300kmで在不在を比較。
    • 寒冷ストレスindex:トーパープロキシ(代謝と体温と意図的に低下させる生理現象)
    • 生存できない要因:形態、代謝、環境index
    • 結論:自然定着には餌場環境の連続がボトルネックを支えている。

バードリサーチの活動報告

  • 要旨/メモ:
    • 会員:3756名(2025年8月)
    • クラファン:シマアオジ、食性DB→出版
    • 画像メモ:../../../../Desktop/〜やりかけの仕事〜/blog|未ブログ化MarkDown/assets/image-20251213111247815.png(ローカルパスのため要差し替え)

東白川村のFSC認証林 鳥類調査結果2025

  • 発表者:高木憲太郎
  • 要旨/メモ:
    • FSC認証林(環境保全・社会的配慮・経済性の基準を満たす持続可能な森林管理が第三者機関によって認証された森林)
    • 繁殖期に4回スポットセンサス調査(10分)×4箇所
    • 簡易調査31種の構築も試行

ドローンを使ったガンカモ類の空撮カウント調査

  • 発表者:神山和夫
  • 要旨/メモ:
    • DJI Mavic3(30万円、35×30cm、895g、46分、〜4kmぐらい飛べる、12mの風にも対応、3/4イメージセンサ)
    • DJI Mini 5 Pro(10万円、40×30cm、250g、30分、1inch)
    • 高さ50mで71×53m^2の範囲を撮影
    • QGISで多数の写真を並べる(GND情報をもとにしている)
    • AI-soft(CountThingsを用いてカウント)
    • 種の識別は課題(人の目でできるものもある)
    • 撮影は300m□で8分かかる
    • 日の出の20〜30分前に撮影できるが、日の出前に飛び立つ
    • 小さな沼は自動操縦で全域撮影できるが、大きな湖沼は撮影範囲を決めにくい
    • ガンカモの忌避行動(湖面にいるときは10〜20mまで気にしない)
    • ヒドリガモとトモエガモは神経質
    • 三日月沼(十勝、北海道)ハクガンのカウント:10月後半に2700羽

アンケートを用いた全国大高繁殖状況モニタリング

  • 発表者:守屋年史
  • 要旨/メモ:
    • 2017年に国内希少野生動植物から解除
    • 2016-2024に1227件の報告、2024に137巣の報告
    • 繁殖成功率が80%から60%に落ちた
    • 2024年は半数以上が繁殖失敗
    • 全国的な傾向(関東、中部、全国の3区分)
    • 巣立ち雛数の指標値の長期的傾向(TRIM解析)も2→1へ
    • 2025年の集計(中間報告):111巣の報告。昨年(58.9%)よりさらに繁殖成功率が減少し50%に落ちていた
    • 巣立ち雛数は1で4以上は無し。平均巣立ち雛数も減っている
    • 確認雛数は2016年の半数
    • 要因:生息地の劣化(ナラ枯れ、樹林の伐採)、鳥インフルの罹患、外来種の巣内捕食(アライグマ)
    • 今後:早期の順応的対応、専門家の調査、継続的なモニタリング
    • 調査の協力依頼

季節全線 活動報告

  • 発表者:ジャニャージュン
  • 要旨/メモ:
    • 参加人数:増えている。今100名程度
    • 春:北上を実感しやすい鳥(オオルリ、キビタキ)
    • 春:北上を実感しにくい鳥(カッコウ、ツツドリ)
    • 秋:ツグミは去年来たのが遅かった(関東、中部、関西、九州)
    • 秋の気温が高い年ほど初認ピークが中部では遅くなっている(山の結実の影響もある?)

ポスター発表(Day 2)

ポスター一覧(メモ)

番号 タイトル 主報告者(所属) 一口概要
P-02 鳥たちの気象防災講座(風力発電編) 太田佳似(日本気象予報士会) 鳥類渡りに関わる気象現象や風力発電との関係を解説し、バードストライク防止策について参加者と模索する講座形式発表。
P-04 近畿地方中部におけるコシアカツバメの営巣事例 中津弘 中部地域で確認されたコシアカツバメの利用巣の形態と人工物利用状況を整理した観察報告。
P-06 あかぽっぽってどんな子育て?〜デコイ作戦と親の呼びけに走り寄るヒナ〜 佐渡志穂里 他(東京都立国分寺高校) 絶滅危惧アカガシラカラスバトの親子コミュニケーションを観察・実験し、子育て行動の一端を探る調査。
P-08 モテる雄は冬に頑張っていた!ミソサザイの雄の越冬なわばりが繁殖成功に与える影響 惣田彩可(京都大・理) 越冬期のなわばり形成が繁殖成功に与える影響を足環識別で調べたミソサザイの行動生態研究。
P-10 あしびきの 山鳥の尾の しだり尾は いつ抜ける? 吉村正則 ヤマドリの季節的尾羽換羽を約20年間の計測データから整理し、季節パターンを解析した調査。
P-12 北大植物園所蔵サンショウクイ標本6体の形態的特徴:既報データとの比較 三上かつら(バードリサーチ) 明治〜大正期のサンショウクイ標本を既存データと比較し、換羽・性別等の形態情報の蓄積の必要性を探る標本研究。
P-14 黒目川のカルガモ繁殖様式〜4年間のカルガモ親子記録〜 長久保定雄(バードリサーチ会員) 4年間のカルガモ親子の個体識別観察から繁殖様式と成長過程を整理したフィールド観察報告。
P-16 チュウサギの行動圏把握の「試み」 橋本啓史 他(名城大・農 ほか) 高速道路インターチェンジ内コロニーのチュウサギにGPSロガーを装着し、行動圏と採餌環境の「試み」として把握した解析。
P-18 ウチヤマセンニュウが本土部のヨシ原に立ち寄るのはなぜか 大槻恒介 他(長崎大・院・水環 ほか) 葦原で捕獲調査した幼鳥・成鳥の体羽・脂肪量から繁殖後の滞在地利用の生態的背景を明らかにする調査。
P-20 なぜ鳥は羅網してしまうのか/事故DBの分析による原因報告 内田理恵(a-tori-net Project) 防鳥ネットによる鳥の羅網事故データベース解析から原因と実態を明らかにする事故解析研究。
P-22 クロサギの繁殖期と越冬期における採餌行動の比較 植村慎吾(バードリサーチ) クロサギ黒色・白色型の採餌行動を繁殖期・越冬期で比較した行動生態調査。
P-24 環境が異なるFSC認証林における鳥類の比較と評価 髙木憲太郎(バードリサーチ)/天野陽介(WWFジャパン) 東白川村の複数カテゴリーのFSC認証林でスポットセンサスを実施し、鳥類の環境選好性に基づく森林評価を試みる調査。

詳細メモ(抜粋)

P-02 鳥たちの気象防災講座(風力発電編)

  • 発表者:太田佳似(日本気象予報士会)
  • メモ:
    • 風車下流では乱流が起こっており、夜間渡りでも影響
    • 米国内で14万〜50万羽がバードストライク
    • モーションスミア効果:ブレードの先端が見えなくなる
    • 鳥の網膜速度 = 40〜220 dva/s(degrees of visual angle per second)
    • ブレードの塗り分け(3枚のうち1枚/1枚ごとに塗り分け)
    • 緊急停止システム(死亡半減、発電量減少=0.07%):目視、レーダー、カメラ
    • 提案:渡り方向を回転範囲を狭める(±67.5/45°を禁止)
    • 回転制限で銚子は風と日中渡り鳥の方向が合致しているので効果が薄い
    • 秋田県の海岸線は渡りに適さない
  • Q&A/コメント:
    • Q:気象庁のレーダーは鳥の渡りには使えないのか?
      • A:使えると思う。今はマスクして提供している。最近は偏波を使っているので飛翔体のサイズもわかるようになっている。
    • コメント:鳥から見た風車が見えなくなる動画にして欲しい。

P-04 近畿地方中部におけるコシアカツバメの営巣事例

  • 発表者:中津弘
  • メモ:
    • コシアカツバメ:スズメ=73:23でスズメの二次利用
  • Q&A:
    • Q:海岸線も調査しているか?関東では海岸線が多いと言われているが福井の調査では内陸も海岸もあった。
      • A:海岸線で多いというのは地域差があるかもしれないが、関東の話が拡大解釈されているのかもしれない。海岸では調査していない。
    • Q:営巣建物の新旧と、建材の表面(ツルツル)に相関はあるか?
      • A:表面がツルツルのコンクリートのJRの新しいコロニーもあったが、総じて古いところが多かった。

P-08 モテる雄は冬に頑張っていた!ミソサザイの雄の越冬なわばりが繁殖成功に与える影響

  • 発表者:惣田彩可(京都大・理)
  • メモ:
    • 冬季になわばりを確保したミソサザイの繁殖成功率が高い
    • オスは育雛に参加しない(一夫二妻)
  • Q&A:
    • Q:冬季のなわばり防衛の方法は?囀りは早春には聞くが厳冬期にはあまり聞かない気がする。
      • A:冬は地鳴きでオス同士がなわばりを防衛しているようだ。
    • Q:冬季の縄張り防衛は京都の個体群の文化か、全国的な特性か?
      • A:調べたいと思っている。沢沿いのプレイバックで確認できるだろう。
    • Q:冬に囀りを聞いたことがある。
      • A:冬に囀りを流すと囀りで返すことがある。囀りはコストなので地鳴きでなわばり防衛しているのだろう。

P-18 ウチヤマセンニュウが本土部のヨシ原に立ち寄るのはなぜか

  • 発表者:大槻恒介 他(長崎大・院・水環 ほか)
  • 目的:島嶼で繁殖するウチヤマセンニュウが、本土部ヨシ原を中継地・換羽地として利用するかを明らかにする。
  • 手段:過去の標識データ解析と、長崎県諫早湾干拓調整池での捕獲調査により、飛来時期・滞在期間・換羽状況・体重・脂肪量を評価。
  • 結果:繁殖後に幼鳥・成鳥が本土ヨシ原へ移動し、最大27日間滞在、7〜8月に換羽することが示された(諫早で霞網捕獲、最長27日)。換羽は33.8日かかる。
  • 考察:本土のヨシ原は、換羽と渡り準備のための重要な中継地として機能している可能性が高い。中継地としては一時利用より長く滞在して換羽地として重要な地点(餌の量、捕食リスク)。

調査研究支援PJ(ショート紹介)

001: 岩手県焼石連峰におけるクマゲラ生息調査

  • 研究者:籠島恵介(本州産クマゲラ研究会)
  • 概要:
    • 本州南限域にあたる岩手県焼石連峰での巣穴・音声調査を通じて、未確認とされてきた本州産クマゲラ個体群の繁殖可能性と分布コリドーの存在を検証し、保全判断に直結する基礎情報を得ようとする研究。

002: みんなで探そう!コムクドリ渡りプロジェクト 2026

  • 研究者:大泉龍太郎(北海道大学大学院理学院)
  • 概要:
    • 北海道・東北で繁殖するコムクドリに小型GPSを装着し、市民参加型のデータ収集によって秋の渡り開始時期・ルート・越冬地を解明するとともに、個体群差と渡りの関係を明らかにしようとする、小鳥GPS研究と市民科学の両面で意義の大きい研究。

003: みんなで夜のフライトコール(NFC)録音調査(最終年度)

  • 研究者:大坂英樹(トリルラボ)
  • 概要:
    • 市民参加によって全国規模で夜間フライトコールを継続録音し、3年間・6,500時間超の音声データを統合解析することで、日本における渡り鳥の夜間飛翔ルートを可視化し、保全や風力発電との共存に資する長期的データ基盤の確立を目指す最終年度プロジェクト。

004: 鳥類の情動を伝える鳴き声の音響構造は収束するか?――全球規模での音声解析による検証

  • 概要:
    • 約1000種・全球規模の音声ビッグデータを用いて、鳥類が情動(警戒)を伝える鳴き声に種を超えた共通原理が存在するかを初めて定量的に検証し、ダーウィン以来の仮説を現代的手法で再検討する研究。

005: 自動撮影カメラで探る!道路を利用する沖縄島北部の鳥たち

  • 研究者:丸田裕介(琉球大学大学院農学研究科)
  • 概要:
    • 沖縄島北部(やんばる)の道路環境に自動撮影カメラを設置し、地上利用が卓越する鳥類を中心に、種構成や日周・季節活動性を初めて定量的に明らかにするとともに、深層学習による動物検出技術を導入して調査効率と今後の道路生態系研究の基盤構築を目指す研究。

006: 謎の鳥?ダイトウカイツブリを追え!〜隔離島嶼のカイツブリの形態は進化しているのか?〜

  • 研究者:池上隆之・堀内晴・坂井充・中田知伸(北海道大学大学院理学研究院)
  • 概要:
    • 琉球列島からも隔離された大東諸島に生息する亜種ダイトウカイツブリについて、形態計測と行動観察を本州産亜種と比較することで、隔離島嶼環境における飛翔能力低下・潜水能力向上や採餌ニッチ拡大といった機能的進化が実際に生じているかを検証し、島嶼進化の具体像を明らかにしようとする研究。

007: どこまでが基亜種ツミ?どこからがリュウキュウツミ?

  • 研究者:内藤アンネグレート素・戸部有紗・嵩原建二・飯沼慶一・宮城邦治・中本純市
  • 概要:
    • 南西諸島におけるツミ類について、繁殖分布調査と全ゲノム解析を組み合わせ、形態では判別困難な基亜種ツミと絶滅危惧亜種リュウキュウツミの分布境界と集団構造を明らかにし、分類学的整理と保全方策の基盤となる決定的な基礎情報を提供しようとする研究。

008: ~得意なモノマネなんですか?~ガビチョウのさえずりを模倣から追究する!

  • 研究者:長谷川れい・北村亘(東京都市大学 環境学部)
  • 概要:
    • 外来種ガビチョウを対象に、侵入地におけるさえずりの音声解析と模倣モデル選択の検証を行うことで、音声模倣が学習によって形成される過程を明らかにし、鳥類の学習能力・音声信号進化・外来種適応の理解を同時に前進させようとする研究。

009: サシバが繁殖しやすい環境とは?~巣立ち雛数・占有頻度に関わる環境要因について~

  • 研究者:高橋京太郎(新潟大学農学部)
  • 概要:
    • 里山環境に生息する絶滅危惧Ⅱ類サシバを対象に、個体の出現・採食・繁殖・巣立ち雛数・占有頻度という5段階の指標ごとに環境要因を解析することで、従来より踏み込んだ保全優先地域の特定を可能にし、実効性の高いサシバ保全戦略の基盤を提示しようとする研究。

010: カワウの巣の昆虫調査

  • 研究者:バードリサーチ/コロニー生態学研究グループ
  • 概要:
    • カワウのコロニーを舞台に、巣や繁殖活動が多様な昆虫相(絶滅危惧種を含む)を支える基盤となっている可能性を定量的に検証し、人との軋轢によって見過ごされがちなコロニーの生態系機能を明らかにすることで、鳥類管理と生物多様性保全を結び直す新たな視点を提示する研究。

以上

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created: 2026-01-22 20:05:29
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