toriR blog
参加者募集 〜みんなで夜のフライトコール録音(NFC録音)調査〜
夜に自宅でタイマー録音して小鳥の渡りを調べませんか。夜の小鳥の渡りに興味があり、ICレコーダとPC/Macを操作できる方が対象です。春と秋にそれぞれ3ヶ月夜のタイマー録音していただき、そこからフライトコールを探します。また種名が明らかな地鳴きの音声も共有して下さい。オンライン説明会もあります。目的
夜渡る小鳥たちは不思議です。秋、自宅近くで夜明け前耳を澄ますと多くの地鳴き(夜間フライトコール/NFC : Nocturnal Flight Call)が聞こえることがわかりました。その声はジー、チィなどツグミ類やホオジロ類の声がしました。近隣の鳥仲間に聞くと、「星の観察会で聞く」とか、「職場からも聞く」と、割に声が聞かれることがわかりました。また、竜飛岬(青森県)では目視による夜間に渡る鳥の識別とカウントが精力的に行われています(原2022)。また、レーダーを用いた小鳥たちの夜間渡りの調査からは特定の場所に集中せず、平野を含む広くエリアを少数で渡り、低い高度で飛ぶ個体もいるようです(田悟2020)。また北米ではNocturnal Flight Call(NFC)録音の研究がなされソフトも開発されています(Wilison 2022, Doren 2023)。
多くの方の自宅や自宅近くで小鳥の夜の声を録音し、どんな種が、どこを、どれくらい渡るか調べ、新たな渡りの不思議に迫ります。データ活用としてバードストライクを避ける風力設置場所や、ブレードや不要な夜間照明を止める鳥渡り予報に使えないか考えています。そのための調査協力をお願いします。
募集対象:
夜の小鳥の渡りに興味があり、ICレコーダとPC/Macを操作できる方
以下の3つについて募集いたします。
参加応募フォーム:
- いづれもこちらの応募フォームからお願いします。
調査オンライン説明会とアジェンダ
出入り自由、無料
日時:2024年3月1日 19:00~20:00
ビデオ通話: google meet
アジェンダ
夜間フライトコールとは
調査の目的
調査方法(お願い)
NFC録音方法
分析方法
開発状況
Q&A
- 直接ビデオ通話リンクで入れます。
(A)募集要領:
調査方法:
- 庭やベランダなど自宅付近にICレコーダでタイマー録音し、お持ちのPC/Macで鳴き声を切り出し、切り出音声をアップロードして下さい。
- ICレコーダをお持ちでない方はマイクロSDカード付き(32GB付き)で無償貸与します。このページ下の応募フォームからお申し込み下さい(数に限りがあります)。
- 鳴き声を切り出しするソフトは無償提供します(時期未定)。
調査期間(予定):全期間でなくてもOKです
春季:2024年4月1日~6月30日
秋季:2024年9月1日~11月30日
録音時間(予定):週に1~7晩、一晩に3回。無理のない範囲の録音でOKです。雨や外出など録音できない日は録音不要です。また、毎晩、一晩中録音したい方も歓迎です。カバーして頂きたい時間帯:
- 21:00〜22:00
- 00:00〜01:00
- 03:00〜04:00
録音の条件:
- フォーマット:44.1kHzのWAV(MP3は秋の虫の鳴き声が入っているとうまく録音されないことがあります。)
- ファイルサイズ:1ファイル2GB以下
- 電池の準備・交換、防水袋に入れるなど雨や霧などの対策は各自お願いします。
フライトコール候補の音声切出しソフトの機能(予定):
- 録音データファイルの録音日時(タイムスタンプ)を自動的に読み出して、ファイル名にステーション名(録音場所)、録音開始日時をファイル名に自動追加します。
- 1時間の録音データから1秒程度でかつ背景ノイズより大きな信号を自動で分割します。
- 分割されたフライトコール(候補)はリスト表示されます (それらを目視確認しノイズ音を削除してください)
- リストから選択した切出し音声をトリルラボのサーバにアップロードできます。
データ収集方法:
- 切出し音声をトリルラボのサーバにアップロード
注意点:
- PC/Macの準備、電池の準備、マイクロSDカードのカードリーダ、インターネット接続は申し訳ございませんが、ご負担ください。
- 人の声が入っている音声データはアップロードしないでください。
- ICレコーダの設置は土地所有者もしくは管理者の了解を得て下さい。
- 他人の声が録音されないようプライバシーにご配慮ください。
- 雨や結露、盗難など機器の管理はよろしくお願いします。
(B)募集要領: 種名の明らかな地鳴き音声収集のご協力
目視確認された地鳴きの録音データをお持ちの方は、その情報を是非提供ください。これにより地鳴きから種特定できるようになればどんなに素敵なことでしょう。
- 地鳴きの収集データの候補:録音(WAV形式)、種名、録音者、録音日時、録音場所(緯度・経度)、オプションとして録音機、雌雄(分かれば)、環境
- 対象種:これから決定しますが、夜間によく聞かれたホオジロ類とツグミ類を対象にしようと考えています。
録音データの登録はトリルラボのWebサイト(www.torir.net)を通じて行っていただく予定で、得られたデータは適宜まとめてアーカイブ公開します。
(C) 募集要領:ソフト&ハード開発のご協力
ソフトとハードの開発でご協力いただける方を絶賛募集いたします。一緒に作りませんか?作ったものはオープンソース化(MIT オープンソース ライセンス)いたします。
- ICレコーダの長時間音源から自動切りだり用ソフトウエア(Windows/Mac)
- 地鳴き種別判別器
- AudioMoth上で地鳴き切り出し組み込みソフトウエア
- AudioMoth上もしくはコンパニオンボード(ラズパイなど)で鳴き声種名判別器搭載ハードウエア
- コーネル大学のHaroldMills氏開発のVesperをベースにするかもしれません。日本語マニュアル化やインストール整備
謝辞:
- NPO法人バードリサーチ殿の調査研究支援(2023年)から支援いただきます。
- ぜひ、こちらもご覧になり他のプロジェクトともどもご支援をよろしくお願いします。
参考文献
原真一, 2022, “2022年秋季調査結果概要, 夜に渡る鳥の目視による種別カウント調査 ,” バードリサーチ調査研究支援プロジェクトの支援.
田悟他, 2020, “レーダーを用いた夜間の渡り鳥の飛跡数,飛翔高度,渡り経路の追跡,” 日本鳥学会誌, 2020, 69 巻, 1 号, p. 41-61.
以上です