つばめ巣マップ

〜ツバメの見分け方〜

ツバメ

喉が赤く、腰は紺で、尾はいわゆる燕尾型である.足は短い. 飛行に適した細い体型で、虫を捕らえ、急旋回など俊敏に飛翔する 1-3. ツバメの俊敏さにより飛行能力の高いトンボなど大型の虫を取ることができる 4
普段は40~50km/hで飛び、下降時の最高時速70kmで飛ぶ 5
尾羽を開くと白い横帯が出るのが本種の特徴 6
大きさ 17cm
翼開長 32cm
長く切れ込みの深い燕尾形でオスが長い.
喉の色 赤い
腰の色 紺色
鳴き声
オスのさえずりは「ギチギチギチギチ…ジィィ…」を繰り返す. 捕食者などが巣に近づくと「ピチィッ,ピチィッ」と雌雄とも鳴き、これを聞いた成鳥は一斉に飛び立ち,大きなヒナは巣で伏せることが多い1.またチュビチュビチュビチュルルルルルとも鳴く 7
その他 聞きなしは「虫食って土食って渋いー」

ツバメの巣

巣は泥と枯草を唾液で固められ、民家の軒先などに作る.古い巣を再利用することもある. 営巣場所は、戸建て住宅と戸建て商店が3割ずつともっとも多く、 橋などは非常に少ない. 牛舎に営巣することがあり、他の種には見られない特徴である 8
産卵は4-7月頃、一腹卵数は3-7個で、主にメスが抱卵する. 抱卵日数は13-17日、巣内での育雛日数は20-24日 9
かたち おわん型、壁にくっつく
場所 家、道の駅、納屋など
1つの建物に1〜数個
巣の幅 10cm
巣の奥行 12~15cm
巣の厚さ 5~10cm

イワツバメ

ツバメより小さく、腰と喉は白く、尾羽は燕尾とならない.雌雄同色. 足や指に白い羽毛が生える 1-4
似た種に福井では珍しいアマツバメ、ショウドウツバメがいるがアマツバメは翼が細長い鎌形で尾は燕尾で閉じると細い1本に見える.ショウドウツバメは腰の白帯がなく、胸に暗色バンドがあることで区別できる 3
羽ばたきは目まぐるしく 3、 群れで飛行しながら口を大きく開けて浮遊する虫(カやハエ,小さな甲虫,羽アリなど)を捕食する 5. ツバメほど飛翔能力が高くなく集団で声を出しながら虫を取る 5
大きさ 14cm.ツバメより小さい
翼開長 30cm
根元が白く、浅い凹型
喉の色
腰の色
鳴き声
さえずりは「ピチュルピチュルピチュル」と早く長く繰り返し、地鳴きは「ジュリリリリ」などと濁って鳴くためツバメと区別できる 1, 6. 繁殖期は飛翔中や巣内でよく囀るがオスのみが出すと思われる.捕食者などが巣に近づいたとき「ツィー」という強く短い警戒の声をだす.1羽が警戒声を出すと他の個体もこの声を出す 1. ヒナが巣立つと空中で給餌し、親の呼び声とヒナのねだる声でにぎやかである 6

イワツバメの巣

巣は土と藁で作り天井に接した出入り口がある.早く渡来した個体は古巣を利用する.
本来、自然の崖地に営巣していたが、最近では私街地付近の橋桁やコンクリート製の建物の軒下などに集団営巣する 1-6. 巣は半数が橋を利用していた 6
一腹卵数は3~4個で、メスによる約15日間の抱卵を経て孵化する.ヒナはおよそ22~28日で巣立つ 7
かたち おわん型、壁と一部天井にくっつく
場所 橋の下など
一つの建物に多数
巣の幅 14cm
巣の奥行11cm
巣の厚さ13cm

コシアカツバメ

ツバメより大きく、腰が赤い.また喉から腹全体はオレンジ色で黒褐色の縦斑がある.尾は長く燕尾型.雄雌同色.
翼を広げたまま尾も拡げ空中を滑るように飛び、浅く羽ばたく. 飛ぶ姿はツバメに似るが、腹がオレンジ色で、開いた尾に白斑は無く一本状にほぼ閉じて飛ぶことも多い 1-4
繁殖中は水生昆虫も取るが多くを羽アリに頼ることから、繁殖タイミングを羽アリの孵化に合わせるとの報告がある 5
大きさ 18.5cm.ツバメより大きい
翼開長 32cm
長い
喉の色 白に黒い縦縞模様
腰の色 赤茶色
鳴き声
「チュイッ」、「ピチュピチュピチュビリリリ」、「ジュリリ ジュリリ チュー」などと聞こえる 1, 2, 6. ツバメに対し時に「ジュピ」、「チビッ」と濁った声が入り区別は難しくない 6

コシアカツバメの巣

巣はトックリ型でツバメよりも高い場所に巣を作る傾向があり、マンションや学校、倉庫の天井などで見られる. ツバメに比べ大きな建物が好むのはトックリ型の巣が天井の広い水平面の方が作りやすいためと考えられる 7
西日本では10巣以上集まった集団繁殖地を形成することが多いが,東日本では単独で営巣することが多い 8
かたち とっくり型、壁と天井にくっつく
場所 学校など大きな建物
一つの建物に1〜多数
巣の幅 32x17cm
巣の奥行17~29cm
巣の厚さ7~10cm